最近中国では「即決死刑」が増えているのをご存知でしたか?
イスラム社会で女性による男性への反撃が死刑なら残念でならない!
なでしこりんです。今日は「女性の死刑」について書いてみます。最初にお断りしておきますが、表題の「顔だけは撃たないで」はCNNのニュースに登場する女性の言葉ではなく、「鄭蘋如(てい・ひんじょ、テン・ピンルー)」という日中混血の女性の最期の言葉です。鄭蘋如は後半で取り上げます。まずはアメリカCNNの記事からです。
イランで元情報省職員の男性を殺害したとして死刑を言い渡されていた女性、レイハネ・ジャバリ死刑囚(26)の絞首刑が25日に執行された。ジャバリ死刑囚は元職員から性暴力を受け、正当防衛で刺したと主張していた。事件が起きたのは2007年。国連によると、ジャバリ死刑囚は当時、インテリア・デザイナーとして元職員の事務所を担当していた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(AI)によれば、ジャバリ死刑囚は捜査の初期段階で元職員の背中を刺したことを認める一方、元職員がジャバリ死刑囚に性的暴行を加えようとしていたと主張。犯行現場の家にいたもう1人の人物が殺害に関与したとも語ったが、適切な捜査は行われなかった。ジャバリ死刑囚は逮捕後2カ月間、弁護士や家族と接触できないまま独房へ入れられ、拷問を受けたという。(CNN)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141026-35055671-cnn-int
実は もうネット上にはレイハネ・ジャバリさんの「処刑後」の写真までが公開されています。こういう写真を公開する神経に疑問を持つのは私だけではないでしょう。こういうのってやはり、イラン政府側による「見せしめ」という側面と、アメリカなどによる「反イラクのプロパガンダ」という側面があるのでしょう。
アメリカCNNという限られた情報の中では断定的なことは語れません。私は基本的には「死刑制度には賛成」の立場です。しかし今回の事件と死刑については正直分からない点があります。というのは「被害者がイランの元情報省職員の男性」ということです。 ちょっとこの辺が引っかかります。アメリカのスパイ映画の見すぎかもしれません。
インターネットの時代になって、いわゆる「公開処刑」と呼ばれるものがネット上に数多く公開されています。その中に「イランでの処刑」が多いことは事実です。 しかし、世界中でもっと数多く死刑をおこなっている国はイランではありません。国家としての看板を掲げ、国際連合の常任理事国という肩書を持つ国家といえば・・・・そう、中国です。
この写真は特に有名だと思います。彼女の名前は「陸金鳳」さん。もちろんこの写真には続きがあり、女性は処刑されています。彼女の罪状についてはネット上でも公開されています。彼女の供養になるかどうかは分かりませんがご紹介しておきます。(全てが事実かどうかは分かりませんが・・・・)
陸金鳳 女 処刑時20歳 小学校卒業 1975年山西省運城市土懐郷陸各荘生まれ。1995年咸陽にて処刑される。生まれて直ぐに父と祖父が相次いで事故死。よって家族と村民から疫病神扱いされ数度に渡って生き埋めされそうになるが母に救われるも虐待を受け続ける。
1988年母も病で死去。継父とおじに家から叩き出される。その時13歳。生きるために路上生活を始めるが犬に咬まれ大怪我をしたところをホテルマネージャーに拾われるが強制的に売春させられる。1991年の全国的な売春取締りの「がさいれ」で捕まり労働改造所にいれられ1992年に釈放され実家に戻される。
疫病神が戻ったのを怖がり継父は陝西省慶陽件西嶺村の貧困障害者“李”に1000元で嫁として売った。李はベッドに寝たきりで母親が介護していたが性格は誠実だった。然し幸せは続かなかった。村の悪党“胡”が陸を気に入り2000元で李から奪っていった。
1992年から1993年の間、陸は凌辱と虐待を受け続け、逃亡を試みるも毎回捕まり監禁された。何週間か過ぎ、胡は商売で長期間不在にした隙に胡の従弟である“唐”“関”の二人は陸を姦淫し妊娠させた。
唐は自分の子かもしれないと思い、胡が戻ったら手切れ金を払って妻にしようと考えた。1994年末、陸は男の子を産んだ。
1995年旧正月には胡が戻ったので唐は恐る恐る陸と子供を帰したところ胡は激怒、陸を拷問し誰の子かを吐かせた。その晩、唐と関は胡に切り殺され、子供も殺された。陸は怒りと絶望で理性を失い鎌で眠っている胡を殺し放火した。
1995年3月、陸は逮捕され、慶陽県法院は“悲惨な生い立ちではあるが、労働改造所を出て保護観察処分中の身でありながら殺人を犯した。”として死刑判決を下した。陸は不服を申し立て上告しようとしたが却下され1995年12月24日咸陽に送られ処刑された。http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-56.html
中国における「死刑」については、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(AI)でさえ「数千名以上」と推定しているだけで実数はわかっていません。最近では、東トルキスタン(新彊ウィグル自治区)では、裁判抜きで「射殺」していますから、こういう犠牲者を処刑と数えるならば、中国での死刑者数はもっと増えます。中国での人命の重さは「日本の13分の1」でしかありません。
さて、処刑される直前に「顔だけは撃たないで」と言った「鄭蘋如(てい・ひんじょ、テン・ピンルー)」さん。彼女は、大正3年(1914年)、中国人の父と日本人の母の間に生まれた日中ハーフの女性で生誕地は東京です。もし健在ならば今年で100歳を迎えたわけですが、残念ながら昭和15年(1940年)に汪兆銘政権側の特務機関に逮捕され処刑されます。実はこのあたりの状況は簡単には語れる状況ではありません。
「日本軍が南京で大虐殺したアル~」なんてことは、当時の中国大陸における虎視眈々、群雄割拠の状況を見れば、「日本軍が~」などという主張がどれだけ「ためにする発言か」ということも分かってきます。当時の中国は魑魅魍魎がうごめく伏魔殿だったのですから。鄭蘋如さんについては「女間諜」という呼び方が日本ではされていますが、この時代の中国の実態はもっと研究されるべきと思います。中国国民党は黄河を決壊させて中国人を大量虐殺さえしているのですから。黄河を南京に置き換えれば当時の状況が見えてきませんか? 黄河決壊事件→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E6%B2%B3%E6%B1%BA%E5%A3%8A%E4%BA%8B%E4%BB%B6
死刑制度は維持され実施されるべきです。悪質な殺人者については厳罰をもって臨むべきです。と同時に、正当防衛的な反撃に関しては十分考慮されるべきでしょう。今回のイランでのレイハネ・ジャバリさんの処刑に関しては「イスラム社会における女性の地位の低さも関係しているのかな」と感じています。今となってはレイハネ・ジャバリさんのご冥福を祈るばかりです.By なでしこりん