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Channel: なでしこりん
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ドラマ・2013参院選、「208319の奇跡、赤池誠章・物語」その⑦、富士山一合目

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登山に必要なものはなんですか?
赤池候補は、無事、富士山の頂上にたどりつけるの?


Previously on  "The patriot of a red pond"

第六章・・・「2012年。冬の山梨」

 赤池が地盤を譲った山梨1区では、宮川典子が、赤池票に8,000票を上積みした54,930票を獲得して当選した。 そして、赤池には「参院全国区の候補者」の決定が下った。http://ameblo.jp/fuuko-protector/entry-11580252605.html


第七章・・・「2013年。夏の山梨」

 
2013年7月4日、参議院選挙が告示された。16日間の選挙戦で全てが決まる。自民党の選挙事務所を手伝ったことがある人なら誰もが知っていると思うが、選挙事務所には、自民党幹部からの「必勝」額が何枚も掲げられる。赤池の選挙事務所にもそれは届いていた。 しかし、赤池の応援にやってきた赤池の後援会「誠友会」の会員たちは愕然とした。「必勝」額ともに部屋を埋め尽くすはずの「推薦状」がほとんどないのだ。 衆議院選挙では、地元企業や団体が数多くの推薦状を出す。候補者は、各種団体から推薦をもらえれば、その団体からのまとまった「組織票」が期待できる。さらに、団体を通しての選挙戦も可能になるのだ。 しかし、赤池の選挙事務所には「それら」はわずかなかな数しかなかった。
 会員A:「どうしたんだずら、推薦状」
 会員B:「ありゃま~、こりゃ、全部、自分らでやれ!ちゅうことか」
 会員A:「こんなんで選挙できるんずらか」
 会員C:「すんませんが、証紙貼るの手伝ってもらえる?」
 会員B:「おう、やるべ、やるべ」

 選挙戦が始まったが、赤池の選挙事務所にいるのは、「誠友会」の会員と近所のおばさま軍団が数名だけだった。 赤池は努めて明るく振舞っていたが、目の前に霧がかかったような気持ちになった。
 赤池:「なんとしてでもここ1区から4万、全国から3万で合わせて7万出さんことには勝負にはならん。まずはなんとしてでも地元を走り回らなにゃならん!なんとしてでも・・・」

 赤池は支持者台帳を抱え、宣伝カーに飛び乗った。

 富士山は遠くから見ればその姿は美しい。だが、実際に上ると、その道は険しく厳しい。
 それはあたかも赤池の行く手を暗示しているようでもあった。


 つづく  By なでしこりん 

 この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。


  
   はるか向こうに「富士山」がかすんで見える。五里霧中。赤池の選挙戦はこうして始まった。 


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